今夕(4月24日午後7時まで)までとなった「ことばの植物図鑑」Nutel展。
ステッチ画のモチーフを人々のこゝろに留められた小説や童話のフレーズに探す。そんな高雅な遊びをどこまで鑑賞者の心に届けることが出来るだろう・・・・展覧会開催当初はちょっと心配したものでした。
実際、展覧会は静かなスタートでした。
それが終盤となった昨日、今日。会場の雰囲気があきらかに変化してきているのです。本の中の私だけの風景、植物が心に刻んだ風景を探し求める方、糸の造形に見入り手仕事の喜びを思い起こしている人の姿。
イメージの中だけでの風景が、ここでは骨董書の頁に糸で、現実に、姿を浮かび上がらせています。
主催者である私たちはそうした方々の記憶に寄り添う一枚をその方に橋渡しできている幸福を感じています。その方の記憶の植物は、本との思い出は、どんなにか美しいことだろうと、その人の「世界」に心を馳せながら。