北国での雪のニュースを耳にしつつ、
こちら薩摩の国は、もうおだやかな春の到来。
寒緋サクラが満開の磯庭園に、
島津家の雛節句とその由来をたずねる、
素晴らしい一日をすごすことができました。
学芸員のかたから、
島津家と節句の行事への丁寧な解説をいただき、
この日の記念にと戴いたのが、「薩摩糸ひな」でした。
一本の竹の棒を芯に、
垂絵は一枚一枚手描きされた、じつに繊細な伝統の工芸品です。
桃の節句はじつは、女の子の無病息災を願っての
「身代わり」流し雛がその起源だそうです。
大正の初期までかごしまでは、
初の女の子の節句に、親戚知人から糸びなが贈られ、それを雛壇に立てかけて飾っていたそうなのです。
大名家顔負けにお雛様飾りの豪華さを競い合う昨今、
思いのこもった「薩摩糸ひな」に・・・ほっこり心の温まる思いがしました。
児を思う親の気持ちをも「経済」に乗せようとする現代。
糸びなには、
そんな私たちの逸る心をリセットしてくれる、、不思議な清らかさがありました。
p.s….4月6日には春の歌会「曲水の宴」も開催され、
今年からは通常の入場券でも観覧できるそうです。
この季節の磯庭園はホンモノの薩摩を知る、またとない機会かも。
