ねむらないただ1本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす
レトロフトの催事はいつもほんとうに事前の広報も解説も控えめ。
それはライブで感じていただくかたのイマジネーションを邪魔しくないための配慮。
でも、今回ばかりはすこしばかり解説が必要のようです。
今回の「朗読と音」は、
もう故人のなった二人の、秘められた物語だからです。
ひとりは笹井宏之。夭逝の歌人。
(作品のいくつかは前回のブログを参照ください)
今回私たちは笹井と同じ世代の声をもとめて、若い世代から人選をすすめました。
そしてようやく、
瑞々しい無垢な感性でしか読み得ない朗読を、梅原大暉さんに託すことができたのです。
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そしてもう一人の主人公は、佐藤弘和(ギタリスト、作曲家)。
残念ながらやはり彼も故人です。
初回打ち合わせでギタリストの濱田さんがお持ちくださった譜のなかに、
「順天堂ピース」
という、不思議な名前のギター小品集がありました。
2016年12月になくなった佐藤は、
闘病中に曲作りのリハビリにと、毎日のように1頁の小品を書き続けていたそうです。
その、沁み入るような優しさと繊細さに私たちは全員、息をのみました。
佐藤の境遇に笹井に重ねて、この曲集を選んでくださったそうです。
濱田さんはそして、生前の佐藤さんとの美しい思い出もお持ちです。
(画像は10年前の濱田さんと佐藤氏のスナップ)
レトロフトはメジャーにはなりえない立場そのままに、
人びとが気づくことなく通り過ぎてしまいがちな小さな宝を、
みなさまにお届けしたいと願っています。
もう今は亡き2人の芸術家たちの領域へと、どうか足をお運びください。
p.s. リハーサル映像がこちらからご覧いただけます。
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レトロフト連続シリーズ『朗読と音』
笹井宏之 歌集「ひとさらい」より
2019年11月8日(金) 19:15開場 19:30開演
朗読 梅原大暉(うめはら・たいき)
音 濱田貴志(はまだ・たかし)
解説 多田蔵人(ただ・くらひと)
会場 レトロフトチトセビル1階 鹿児島市名山町2−1
参加費 1800円(お茶付き/要予約) 学生1300円
お申込み info@retroftmuseo.com
主催 レトロフト 099-223-5066