日本語の偽装


朝、あるいは午後に街を歩いていると、
「準備中」
「がんばって仕込み中!!」
とかの威勢のいい札をよく見かけます。
果たして・・・・ほんとうに準備中なのだろうか!?
本当は家でテレビ見てるンだろうに!
あるいは寝てる時間帯のはずなのに。
と、そんな突っ込みを入れるのは野暮というものでしょう。
曖昧にぼかした表現こそが日本語の特性のはずだったところ、
例の「バナメイエビ」騒動で一挙に日本語の偽装は
許容範囲が狭まりました。
さて、レトロフトバス停前の「農園食堂 森のかぞく」。
私がたまに早朝、ウォーキングに出たりすると、
まだ夜明け前の早朝6時だというのに、暗いご町内の
ここだけ煌々とあかりが灯っています。
11時の開店のための、5時間も前からの「仕込み」なのです。
忙しそうなので声もかけずに店の前を通るだけなのですが、
そのドアのところには
「Close」
と手書きの頼りない札が風に揺れています。
膨大な野菜やナベと格闘している姿がガラス越しによく見えて、
ほんとうに準備中なのです。なのにこの人たちは、
準備中、という言葉を使用しないのです。
この店の潔さと誠実さが
その粗末なクローズ札に見える思いがします。
真っ正直、、、
私もだまって頭の下がる思いで店の前を通りすぎるだけ、です。
 


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