最近では古ビルオーナーとかギャラリー主などと云われるようになった
私たち。
ところが実は、
私の本業は庭師、そして妻は織物のデザイナーです。
ただ、静かに今年の1年を振り返ってみても、
ギャラリーの運営に軸足が移りつつあるのを感じます。
そんな中で私の、
今年1年のもっとも心に残ったお庭の仕事が、
鹿児島カテドラル・ザビエル教会のマリア石像設置を委せていただいたこと。
異国から船便で届いた御影石の聖像を
台座をまずしっかり築き、
聖像をクレーンで吊って、大切に、大切に
台座に据え付けます。
御降誕のお祝いは
ヨーロッパでの習慣がひろく世界にひろまって、
雪とモミの木の印象が深いのですが、実は
キリスト教発祥の地域は雪にも針葉樹にも無縁の
中東の砂漠地帯です。
・・・・マリア様もだから褐色の肌をなさっておいでだったはず、
そんな司教様の言葉そのままに、御影石の像は、
大理石の純白の像とはちがって褐色の姿です。
春になると、
足もとには
聖母ゆかりの白百合、
それに「ベツレヘムの星」という名の白い花が球根から芽吹きます。
それまでの
春を待つ寂しい冬を彩るためには、
イスラエルの岩地に自生している原種シクラメンを散りばめてあります。
像の脇で教会の方々が育てておいでの
サボテン、イチジク、アーモンドも、
実はすべて聖書にゆかりの植物ばかりです。
ザビエルゆかりの教会で、
真新しいマリア像と
私たちが足もとに添えた花が、静かにクリスマスを迎えようとしています。
なんだかそのことを想うだけで・・・とても嬉しいです。
どうぞ皆さまもよきクリスマスを。
