日本建築学会九州支部『建築九州賞 業績賞』

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レトロフトが『九州建築賞 業績賞』を受賞しました。

照国町にあった木造ゴシックの旧ザビエル聖堂を福岡県宗像へ移築し保存を果たされた土田教授が、私にこの賞へのノミネートを私に勧めてくださり推薦までくださっていたのです。

・・・・・その受賞が伝えられた4月初めから5月末までのエピソードをちょっとご紹介しますね(敢えて淡々と)。

3月30日の朝、本港エリア散歩の折りになにげなく撮影した下の写真=「気をつけてお帰りください」のメッセージがちょっとKYに思えてパチリ!

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と、その数日後には「お気をつけて」が現実に。
この写真に写っている長い歴史を刻んだ鹿児島港区のこの石蔵が、誰に知らされるでもなく脇腹から無惨に解体されていったのです。

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ある日、夜の会合から帰る私が目にしたのは、さながら無言でこの街と風景に別れを告げる聖堂の如き石蔵の、静かなる最後の姿でした。

その数日後にはその「瓦礫」は大型ダンプで処分場へと持ち去られました。

そして授賞式翌々日の5月30日には開店アドバルーンが青い空にポワンと(=頭わるそうに)浮かび、陳腐なコンビニがまたこの街にまたひとつ増えました。

思えば、
新しい建造物に新しいデザインを未来志向で競い合わせていた日本建築士学会が、築50年の古ビル・レトロフトに「賞」をくださったことの意味が、この日の出来事と妙に重なって感じられるのです。

「自分たちの街はきちんと自分たちで愛しなさいよ」

天から告げる警鐘のようにも私には響きました。
受賞の嬉しさも中くらいなりの、毎度変わらぬこの街のかなしい出来事でした。

授賞式で私のご披露したレトロフトスライドショーを、今週水曜日午後5時半からレトロフトリゼット広場で簡略にご披露いたします。レトロフトの出来るまでの小さな歴史をまとめてみました。お務め帰りにフラリとお立ち寄りください。もちろん無料です(土田教授も福岡からお越しいただきます)。

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