コンピューターに詰め込まれた画像を整理しながら、
え?と驚いたことがあります。
この画像(↑)。
今を遡ること3年前、
2011年4月にレトロフトはオープンしています。
なのに同年2月17日のこの画像の日付段階で、
まだ建築家・二俣暁徳氏(←Clickでアカツキ建築設計サイトへ移動)がせっせと
1階部分のプランをしているの図です、
オープンの2ヶ月前にまだプラン作成!?
以下、打ち明け話。
各方面から引っぱりだこで超多忙の若きアーキテクトを、
とりあえず私と妻は「レトロフトチトセ」の設計依頼(=身柄捕獲)に成功。
ところが、
「最善のプランが降りてこない・・・」
いつまでたってもプランは出来上がらず、
アトリエに籠もっていっこうにプランの提示もなさらず。
その彼を、妻はやんわり夕食に招きます。
連日の作業はお疲れでしょう、たまには栄養補給を、ね。
(おほほ)。
で、食事も終わって「雑談の部」となったあたりで私が、
サッと、間髪入れずB4サイズのスケッチブックを
皿を下げるや眼前にドン!置くわけです。
太めの黒ペンも添えて。
「さあ、描(か)いてくださいませ。レトロフトの構想を」
こうした欺し欺されの狂想曲のなかから
ポーン!と二俣氏の脳中に降りてきたのが、
現在のレトロフトチトセ・ブックパサージュの造形的風景でした。
コンピューターを使った安直な建築が蔓延しているこの時代に、
二俣氏は「ものづくり」精神そのままの
手作り感覚、感性だけがたよりの
希有なアーキテクト。
時間もかかる手間もかかる。
それを「待ってさし上げられた」という点だけが、
私と妻の人に誇れる唯一の点なのかもと、ひそかに自負しています。
あのダビンチが、
最後の晩餐の絵の完成をせっついた修道院長に、
そんなに急かすとアンタの顔をユダのモデルにするよと、
そういって切り返したというルネッサンスの時代の故事が
私たちの頭にあった、というのは言うまでもありません。
