飛行機の乗り継ぎで降り立ったコペンハーゲンは、
たった半日のまち歩きタイム。
なので思い切っておのぼりさんに徹して
「人魚姫の像」
行って参りました。
ここは「世界3大がっかり」の観光名所としても有名です。
たしかに、なんだか、
ついでで像を置いたというくらい殺風景な海岸端に人魚像はありました。
なのにまあここは、すごい人、人、人。
世界中からの善男善女で大混雑の中、
全員、お姫さまとのツーショット記念撮影に余念がありません。
私は思いました、
これって「文学」の力なんだなぁ、って。
こんな味気ない背景なのに、
小さな像の背後に人は、
絵本で読んだアンデルセンの物語と
まだ自分が幼かったあの頃のノスタルジーをかさねて像を眺めているのかもしれません。
ここには
人の想像力をかき立てる何か、が確かにあるようです。
そして蛇足ながら思いました。
ここから数千キロ離れたレトロフトにも・・・殺風景な古ビルとはいえ
「本&文学」という潜在力が備わっていることに、
深く深く、感謝したのです。
↓妻に顰蹙(ひんしゅく)を買いながらもコペンハーゲンで私の持ち歩いていた地図は、
1837年発行のまち図。
人魚姫の像は、この地図上でだとピンクの星形の要塞の海っぱたの細長い堤防上にありました。
古い地形と重ねてのまちあるきは、歴史あるヨーロッパならではの楽しみ。
奇遇ですが、
アンデルセンが「人魚姫」を発表したのは、この地図の発行される前年の1836年です。