阪神大震災が起きて21年。
その悲しみの深さは、私などがこの欄で書けるようなものではありません。
ただ、
あの震災で私の心に焼き付いたことがひとつ、あります。
家具やモノによって命を落とした人々の悲劇、です。
暮らしを彩るはずの「家具」「モノ」が凶器にもなった、大震災の教訓。
当時、ふと不思議に感じたのが、
神戸在留外国人家庭の被害の少なさでした。
思えば、かつて留学していたイタリアでは、
富裕層から庶民にいたるまで、室内はまことにシンプルでした。
選ばれた、最低限のモノで暮らすことの利点、
それは「命」にかかわっていることなのかもしれません。
次の日曜日に開催の「新春レトロ市」。
愛着ある物への執着をいったん解いて、次の代にバトンを渡していく試み。
そこには、
日本で生きる以上逃れることのできない、
免災への思いも加味されています。
大切なモノを無碍にに捨てることはできないのなら、
大事にしてくださる次のかたへ受け渡す「お手伝い」をして差し上げたい。
だから、
レトロ市は「思い出、の市場」なんですよ。
