旅先でTaxiを呼び止めて乗る、というのは、
ある意味、特別なことなのかもしれません。
思考も生まれも歴史も人種も全く縁のない人と人が、
小さなガラスの密室で、しばし呼吸を共にし、一定時間運命を共にするのですから。
このたびの出演者全員が初めて、かごしまに集結したときのエピソードです。
ドイツから、
長い長い旅の末に到着なさったアコーディオン演奏家のフッソングさんに、
車への乗り込み際、
タクシーの運転手さんが「その大きな包みは?」と、黒い重たげな荷物の中身を尋ねたのが
その、意外な物語の第1章でした。
フッソングさんが抱える楽器がアコーディオンであると知り、
歴史に詳しい運転手さんが問わず語りに話し始めた物語は、こうです。
西郷隆盛が、
西南の役・自刃前夜に、岩崎谷の洞窟で最後に聴いた音楽は、
フランス製のアコールディオン(風琴)の演奏であった、と。
→washimoさんのブログをご参照ください。
さらに追い打ちをかけるように知らされたのは、
自刃前の岩崎谷洞窟には、「薩摩琵琶」も並んで置かれていたという、
事実なのでした。
この度の公演関係者は、予期せぬ史実との符合に震える思いがしたのです。
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・・・・第三話につづく
↓ 西南の役激戦地・岩崎谷および城山からの眺め
