箸置きにそっと添えられた紅葉(もみじ)。
この風雅なしつらえだけで、
私たち日本人はその膳の余白から自然と、
「秋」を、心にとりこめます。
ではイタリアは?
伽藍の煉瓦を数百年のスパンで積み重ねるように、
イタリアは執拗なまでに
膨大な手間と、
職人たちの工芸の技で、
壁面を、カンバスを、隙間を、
おそろしいほどの集中力と美意識で埋め尽くしていった歴史の堆積体です。
余白は・・・たぶん彼(か)の国の職人の心には、
なかった、のではないか?それくらいの迫力で構成されています、
イタリアの奥深き芸術は。
切り絵師・俊寛
~イタリアの職人たち~
日時 2015年9月8日(火)~13日(日)
11:00ー19:00(最終日のみ~17:00)
会場 レトロフトMuseo
鹿児島市名山町2−1 レトロフト千歳ビル2階
入場無料
俊寛さんはそうしたイタリア芸術と職人の世界に魅せられ、
7年間フィレンツェに滞在。
「切り絵」という技法で、
職人芸の見事さ、そしてさらには
イタリア的な、日常を積み重ねていく姿の美しさ・大切さを伝える
稀有の切り絵作家です。
その精巧さと緻密さは、とてもこの画面などで伝えきれるものではありません。
是非会場にて、その作品を、
そして背後に広がるイタリア的工芸の領域の世界をどうぞ、ご堪能ください。
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[追記]
さらに9月29日(火)~10月4日(日)まで、
レトロフトMuseoオリジナル企画による、
間の美学 ~デザインとしての「かな」~
@レトロフトMuseo 11:00-19:00
が開催されます。
一転して、《間》をとりあげます。
仮名の発明により独自のアート世界を花開かせた日本。
レトロフトでは、
デザインとしてのかな書、
「余白」を誇る芸術観を探求してみます。
(詳細は後日改めてご案内いたします)
9月のレトロフトは、対照的なふたつの展覧会から
より深く、より本質的なイタリアと日本文化を往来できる「知の遊び」、、
を皆さまにお届けしたいと考えています。
