エタブルオブメニーオーダーズの、本日と明日は
デザイナーの新居さんご夫妻がギャラリーに滞在くださる日です。
そして本日は染織家でもある妻が、
亜麻の茎をほぐした繊維から麻糸に紡ぐところを、
実際に会場でご覧いただいたりも。
ちょっと話題は飛びますが、二十歳代の頃、私は
スイスのとある高齢のご夫妻のアパートメントに居候したことがあります。
純白のレースのカーテンごしにビエンヌの森と湖が望める美しい部屋でした。
ダイニングにはリネン類のチェスト棚があって、
そこから、
食事のたびに白いリネン(ナプキン)が毎日、
朝、昼、晩、食事のたびにセットされるのです。
日本人にとっての「箸置き」のように、ナプキンそこにあることで
「食事」が人の心に認識されるサインのような印象・・・。
どの人のナプキンかわかるように
家族それぞれの専用ナプキンリングに丸められて引出しに入っていました。
私が2週間滞在している間、
そこにはちんまりと「わたくし用」のナプキンとナプキンリングもあって、
ああ、つかの間自分はここの家族なんだ、
リネン&リングから私はそれを実感したものでした。
亜麻は日本では栽培ができないとのことで、
リネンはそこまでは私たちの暮らしには浸透できずにいます。
でも幸い、衣類でなら麻はさまざまに楽しめます。
特に暑い夏。
麻=Lin(リン)のある暮らしの心地よさを
エタブルオブメニーオーダーズの世界でさまざまに感じ取って頂きたいのです、
この良き機会に。
