土曜日の夜に開催された音楽ライブ「クロワズモン*Croisements」。
領域を超えた音やアートの出会う「場」を求めてのネーミング、ということは
前にもお伝えしました。
演奏が終わって・・・音楽家・高橋英明さんに挨拶にうかがうと彼が妙なことを言うのです。
「父の本がありました、そこに(笑。」
まるで原っぱの花でも指さすように書棚を指さしています。
は?
ちょうどこのライブ会場は書棚に埋もれるような作りになっていて、
ライブのあった半地下のへりに、モーツアルトの本だけが寄せてあるのです。
そこに、
「吉田秀和・高橋英郎編 モーツアルト頌(しょう)白水社」
の装丁された立派な書籍、
彼はそれを指さして微笑んでいるのです。
驚きました。
音楽・文芸評論家で、さらには日本語訳による数々のオペラ公演の総監督もつとめられた
高橋英郎氏のムスコさん!? アナタは!
かるい眩暈を覚えました、、、このライブで、
高橋英明の音楽ライブと「父の本」が、
この場所で、
時空を超えて対峙 croisements していたとは。
サウンドパフォーマー松本充明企画によるクロワズモンvol.1。
「これが父の本」と本を指し示してくれた英明さんの
その屈託のない笑顔に、
この時、彼が招かれてここに「居る」ことの寓意を
想い描かずにはいられませんでした。
音楽・文芸評論家 高橋英郎氏は惜しくも今年の3月に82歳で逝去なさっておいでです。
↓ 企画&演奏 松本充明(視聴覚作家=sound performer)
